• 補聴器は使用者のニーズに合わせて各種のタイプがあります。
  • 一般的に使用されている代表的なタイプとして以下の3種類があります。
  1. 耳かけ型補聴器(BTE、RIC)
  2. 耳あな型補聴器(フルサイズ、カナルサイズ、CICサイズ)
  3. ポケット型補聴器

耳かけ型(BTE、RIC)

  • 耳かけ型補聴器とは、耳介(じかい)のうしろに装着する部分と、それに連結して外耳道(がいじどう)に増幅音を出力する部分からなる形状のものを指します。
  • めがねのように耳の上にかけて使います。補聴器の本体は耳(耳介)のうしろに装着し、チューブやワイヤーで本体と耳栓やイヤホンを接続します。
  • 性能の向上による小型化とデザイン性により、主流の補聴器となっています。
  • 耳かけ型補聴器は、BTE(Behind The Ear)とRIC(Reciever In the Canal)の大きく2種類に分けられます。
  • BTE(Behind The Ear)は、補聴器の本体内部にイヤホンがあり、チューブで本体と耳栓を接続しています。
  • 以前は、太いチューブが使用されていましたが、最近では細いチューブが開発されています。
  • RIC(Reciever In the Canal)は、補聴器本体からイヤホンが分離して、補聴器本体とイヤホンは細いチューブやワイヤーで接続されています。
  • 最近では、このRICタイプが増えており、耳かけ型のシェアの半分を占めるようになってきています。
  • 一般社団法人日本補聴器工業会の「日本国内補聴器出荷台数の推移」によると、耳かけ型は約42万台と全体の約70%をしめています。
  • 耳かけ型が増加した理由としては、細いチューブの開発が進んだことや小型でファッショナブルなものが増えきたことなどが挙げられます。

耳あな型(フルサイズ、カナルサイズ、CICサイズ)

  • 耳あな型補聴器は、難聴を補うために音を増幅する機器であって、当該機器全体を外耳道を含む耳介内に装着して外耳道に増幅音を出力する形状のものを指します。
  • 耳のくぼみや耳の穴の中にいれて使用します。補聴器のなかではもっとも小型で目立ちにくのが特徴です。
  • 一般的に、耳あな型補聴器はオーダーメイドで耳の型を取りその中に部品を組み込んで作ります。そのため、フィット感が高く、落ちたり外れたりしにくいです。
  • 耳あな型補聴器は、サイズにより、フルサイズ(Full Shell またはITE:In The Ear)、カナルサイズ(ITC:In The Canal)、CICサイズ(CIC:Completely In the Canal)の大きく3種類に分けられます。
  • フルサイズ(ITE)は、耳のくぼみ全体に装着するように作られているため、他の耳あな型補聴器よりサイズが大きく目立ちます。
  • サイズが大きいため、ボリューム調整のトリマー(音質調整ネジ)、テレコイル、指向性のためのマイクロホンなどの部品をつけることができます。
  • 耳の穴をしっかりとふさぐことができるため、耳かけ型補聴器と同程度の大きな音を出すことができます。
  • フルサイズは、重度難聴まで対応可能で、重度の難聴で耳かけ型を使いたくない方に向いています。
  • カナルサイズ(ITC)は、装用すると耳の穴から少し出る程度の大きさで、ITEより小さくあまり目立ちません。
  • 高度難聴まで対応可能で、通信機能などの各種機能を求める方に向いています。
  • CICサイズ(CIC)は、耳の穴に本体がちょうど入るほどの大きさで、耳の真横から見ないと、補聴器を装用していることに気づかないほどです。
  • 耳あな型の中ではもっとも小さいタイプで、トリマー(音質調整ネジ)や指向性のためのマイクロホンなどの部品をつけることはできません。
  • 軽度・中程度難聴まで対応可能で、補聴器を目立たせたくない方に向いています。
  • 上記に加えて、CICサイズ(CIC)よりもさらに小さい、IICサイズ(IIC:Invisible In The Canal)と呼ばれるタイプも出てきています。
  • 耳の真横からのぞき込んでやっと見えるくらいの大きさです。
  • 補聴器を外すときは、取り出しワイヤーやテグスをつまんで抜き取ります。
  • IICサイズ(IIC)は、軽度・中等度難聴まで対応可能で、補聴器を装用していることを周りに知られたくないという方に向いています。

ポケット型補聴器

  • 難聴を補うために音を増幅する機器であって、頭部以外に装着する部分と、それに連結して外耳道に増幅音を出力する部分からなる形状のものを指します。
  • 本体とイヤホンをコードで繋ぐ形状です。
  • 本体をポケットにいれて使用することからこのネーミングとなったそうです。
  • 最近ではあまり見かけなくなってきましたが、他のタイプと比較して、価格が安く、扱いやすいのが特徴です。

補聴器のタイプと特徴

1.耳かけ型補聴器(BTE、RIC)

適応難聴度普通~高い
集音性能普通
操作性普通
ファッション性高い(RIC)
目立ちにくさ目立ちにくい(RIC)
電池寿命普通
本体の位置耳の上
本体の大きさやや小さい
マイクロホンの位置耳の上
スピーカーの位置耳の上、耳の中
価格さまざま(約50,000~500,000円)
長所拡張性が高い、重度の難聴にも対応
短所眼鏡の邪魔になる、汗に弱い

2.耳あな型(フルサイズ、カナルサイズ、CICサイズ)

適応難聴度普通
集音性能高い
操作性普通
ファッション性低い
目立ちにくさ目立ちにくい
電池寿命短い
本体の位置耳の中
本体の大きさ小さい
マイクロホンの位置耳の穴の入り口
スピーカーの位置耳の中
価格やや高い(約50,000~500,000円)
長所目立たない、耳本来の機能を利用できる
短所大きな音を出せない

2.ポケット型補聴器

適応難聴度高い
集音性能普通
操作性高い
ファッション性低い
目立ちにくさ目立つ
電池寿命長い
本体の位置胸など
本体の大きさ大きい
マイクロホンの位置胸など
スピーカーの位置耳の中
価格安い
長所操作が簡単、大きな音を出せる
短所目立つ、コードが邪魔

補聴器・聞こえについて

  • 補聴器の機能
  • スマートフォン対応補聴器
  • 耳鼻咽喉科に行くメリット
  • よい補聴器の選び方
  • 補聴器を買うときの注意点
  • 補聴器に慣れるまで時間がかかる理由
  • 補聴器を使っている人との接し方
  • 補聴器の扱い方
  • 補聴器の維持・管理
  • 補聴器のトラブル
  • 電池
  • 充電式補聴器
  • 補聴器の購入補助・助成制度